2007年グラモフォン賞
英国のクラシックFMとグラモフォン誌が主催する2007年グラモフォン賞が10月3日に発表された。同賞はクラシック音楽のレコード賞としては世界でもっとも影響力がある。選考ではグラモフォン誌の評論家のほか、音楽家、レコード店、13カ国にある15のクラシック放送局などが票を投じた。
グラモフォン賞は英国および英語圏が基準だから、日本人の感覚には合わない部分がある。かの地では当然ながら英語圏の作曲家や演奏家の評価が非常に高い。また、英国人はエルガーの交響楽のように抑制の効いたものを好む。この好みは演奏にも通じ、ロシアの楽団のような派手目の演奏は下品として嫌う。
英国は大家と呼ばれる作曲家は輩出していないが、質のよい聴衆と評論家を抱えた国として古くから知られる。また、英語圏は市場規模が大きいため、選考で多数決の原理が有効に機能していることは疑いを入れない。グラモフォン賞の受賞作は通好みにして万人受けする演奏が多く、ハズレは少ない。
大賞 / 協奏曲 部門賞
- ヨハネス・ブラームス
- ピアノ協奏曲第1-2番
- ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団
- ネルソン・フレイレ(ピアノ)
- リッカルド・シャイー(指揮)
編集者特選
- グスタフ・マーラー
- 交響曲第二番
- ブタペスト祝祭管弦楽団
- イバン・フィッシャー(指揮)
管弦楽 部門賞
- セルゲイ・プロコフィエフ
- 交響曲全集
- ロンドン交響楽団
- ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
室内楽 部門賞
- レオシュ・ヤナーチェク
- 弦楽四重奏曲第二番「ないしょの手紙」ほか
- パベル・ハース四重奏団
器楽曲 部門賞
- ヨハン・セバスチャン・バッハ
- 無伴奏チェロ組曲
- スティーブン・イッサーリス(チェロ)
歌劇 部門賞
- ジョアキーノ・ロッシーニ
- マティルデ・ディ・シャブラン
- ガリシア交響楽団
- リッカルド・フリッツァ(指揮)
合唱曲 部門賞
- ヨハネス・ブラームス
- ドイツ・レクイエム
- ベルリン放送合唱団
- ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- サイモン・ラトル(指揮)
声楽 部門賞
- リヒャルド・シュトラウス
- 歌曲集
- ジョナス・カウフマン(テノール)
- ヘルムート・ドイチュ(ピアノ)
バロック(器楽曲)部門賞
- ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
- 合奏協奏曲
- アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック
- リチャード・エッガー(指揮)
バロック(声楽)部門賞
- ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
- メサイア
- ダニーデン合奏団
- ジョン・バット(指揮)
古楽 部門賞
- ウイリアム・バード
- 聖所にて至高なる主を讃美もて祝え ほか
- カーディナルの音楽
- アンドリュー・カーウッド(指揮)
現代音楽 部門賞
- ジュリアン・アンダーソン
- アルハムブラ幻想曲
- BBC交響楽団
- ロンドン・シンフォニエッタ
- オリバー・ナッセン(指揮)
掘り出し物 部門賞
- リヒャルト・ワーグナー
- 楽劇「神々の黄昏」
- バイエルン祝祭歌劇場
- ヨーゼフ・カイルベルト(指揮)
- ※1955年の録音。「ニーベルングの指環」四部作を世界で初めてステレオ録音した。
復刻版 部門賞
- アーネスト・ジョン・モーラン
- 交響曲ト短調 ほか
- ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
- 新フィルハーモニア管弦楽団
- エイドリアン・ボールト(指揮)
演奏会 部門賞
- 選集「オペラ物語」
- サイモン・キンリーサイド(バリトン)
- ミュンヘン放送管弦楽団
- ウルフ・シルマー(指揮)
映像 部門賞
- Julian Bream: My Life in Music
- (英語 字幕版なし)
- 原文はこちら。アルファベット順の掲載は日本語には馴染まないため、分野別に並べ替えた。