質疑応答
受信が途切れる
常時受信が途切れる場合はインターネット回線が怪しい。電話回線(ダイヤルアップ)は容量不足。ADSLは基地局から距離があって速度が出ていない可能性がある。実効速度を確認されたい。通信が不安定なADSLで320kbps配信を切れ目なく受信するには、1000kbps以上の回線が必要だろう。パソコンの性能に原因がある場合もある。大雑把に言って、ウインドウズXP以前の古いパソコンは、CPUのデコード処理が追いつかず高音質配信をなめらかに再生できない。
日時によって受信が途切れる場合は相手側の放送設備に原因がある。放送局のサーバーへ多数が同時に接続を試みると、混雑のためサーバーの応答が遅れる。ホームページであれば読み込みが途中で引っかかったり、遅くなったりするだけだが、実時間で進行するラジオはサーバーの応答を待てない。無反応や遅延はブツブツ途切れるという形で表出する。受信障害は接続数が急増する現地の昼間によく発生する。この問題は放送局がサーバーを増強しない限り解決しない。
欧州局が丸ごと全部不調などの障害は、日本と現地を繋ぐ中継サーバーが繁忙になっている可能性が高い。
起動リンクが繋がらない(リンク切れ?)
起動リンクを押して放送局に接続できないのは、リンク切れが原因とは限らない。よくある障害と、その対処法を列挙する。
- 鯖落ち - 放送局のサーバーが繁忙により一時的に応答しない状態。諦めて別の時間に接続する。中継サーバーが原因の場合、周辺国の放送局もすべて接続しにくい。欧州がだめな時間帯は、米国や太平洋州へ避難しよう。
- 接続制限 - 同時接続の上限に達している場合は、数分後に試みると接続できることがある。米デジタル著作権法を理由とした規制の場合は、現在放送中の番組が終われば接続できる。
- 保守点検 - 緊急点検は数時間で終了するが、定期点検は数週間に及ぶことがある。諦める。
- 開始音声に接続するのに本放送へ移行しない - 放送局のサーバーの設定不良。放送局に苦情を申し立てるか、諦める。
- 拡張子の関連付けの誤り - メディアプレーヤーで開くべきファイルがリアルプレーヤーに関連付けられるなど、拡張子の関連付けが間違っていると起動できない。OGG形式やAAC形式を再生できるように拡張した場合は注意しよう。メディアプレーヤーを立ち上げ、「ツール」「オプション」「ファイルの種類」と進み、「すべて選択」を押す。
判断に迷う場合は、ページ下の送信用紙を利用して気軽に報告されたい。こちらで状態を確認する。
PLS形式の音楽ファイルが再生できない
拡張子 .pls .m3u はMP3ファイルの亜種で、曲目(または番組名)を記したテキストが添付されている。放送局一覧では両者を区別せず「MP3」と表記する。ウインドウズ標準のメディアプレーヤーは PLS形式が再生できない一方、M3U形式は再生できるから、混乱する方がいるかもしれない。
PLS形式の音楽ファイルはリアルプレーヤーやウィンアンプで再生できる。有償版は必要なく、「無料版」(無料体験版という名の有償版ではない)でかまわない。メディアプレーヤーでPLS形式を再生するには、有志が配布する変換ファイルを入れて拡張する必要があるが、応急処置的な方法のため勧めない。
お試し程度なら、テキストを省いて素のMP3を再生するという奥の手がある。この場合、起動リンクを右クリックして「ショートカットのコピー」を選択、次にメディアプレーヤーを起動して、「ファイル」「URLを開く」を押し、入力欄を右クリックして「貼り付け」。アドレス末尾の listen.pls の部分を削除すれば、メディアプレーヤーはPLS形式をMP3と認識する。これは上記変換ファイルが行う作業を手動で行うのと同じ。
OGG/FLAC形式の音楽ファイルを再生したい
OGG/FLAC形式の音楽ファイルは、ウインドウズ標準のメディアプレーヤーでは再生できない。再生するには追加ファイルを導入するのが手っ取り早い。普通のパソコン(ウインドウズXP/ビスタ/7)を利用する方なら、リンク先にある Windows 32-bit Installer が目的の実行ファイル。過去にこの類いを落とした覚えがある場合は、削除して入れ直すのが確実だ。
実行ファイルをダブルクリックしてインストールする。念のためパソコンを再起動しよう。導入後にリアルプレーヤーなどがでしゃばる場合は、拡張子の関連付けが適切に変更されていない。メディアプレーヤーを立ち上げ、「ツール」「オプション」「ファイルの種類」と進み、「すべて選択」を押す。使用済みの実行ファイルは削除してよい。
ラジオを録音したい
高機能を求める方にはネット・トランスポートという有償ダウンロードソフトの人気が高い。試用期間があるから、気になる方は一度試すとよい。それ以外の方は録音ソフトで十分に間に合う。
以下のソフトはファイルを複製するのではなく、パソコン内部で音声化した信号を録音する。スピーカーから音が出る音源であれば、複製禁止(コピーガード)だろうが、放送形式だろうが、まったくお構いなしに写しが取れる。
- オーダシティ - 録音と編集。適当に録音して余分を削除、ファイルを楽章単位に分割すれば、立派なCDが焼ける。
- ぽけっとれこーだー - 操作が簡単。起動が軽い。録音に特化。編集はできない。音質は劣らない。使用方法。
欠点は、①再生中の音を忠実に拾う。音量を絞ったり、ウインドウズが警告音を鳴らしたりすれば、そのとおりに記録される。パソコン内部で発生するノイズも当然に拾う。②効果もろとも録音する。イコライザを有効にして録音すると、再生のときに二重の効果がかかる。③無圧縮ファイル (.wav) で容量が大きい。50分の交響曲で500MBほどの容量になる。
録音する方は普段からリアルプレーヤーで受信することを薦める。リアルプレーヤーには「パーフェクトプレイ」という放送を一時保存する仕組みがあり、楽曲をしらばく聴いて気に入ってから、やおら再生位置を過去に戻して楽曲の冒頭から録音できる(一部拡張子では不可)。この機能は次の曲目が分からない楽曲垂れ流し系のネットラジオで特に重宝する。
なお、最新版のリアルプレーヤーSPは録音ボタンを装備する。この機能は「無料版」(無料体験版という名の有償版ではない)で利用できる。
どの局を聴けばよいのか
放送局を大雑把に分類すれば以下のようになる。学校で学んだクラシックが聴きたいという方には米国局を薦める。癒し系音楽として聴きたいという方は、ネットラジオ局の中から穏やかな局を探すとよい。CDは聴き飽きたという通な方は、クラヲタお気に入りの放送局はも併せて参照されたい。
- 地上局 - 既存の放送局。数年前までインターネット配信は申し訳程度で、鯖落ちが頻繁に発生した。最近は常時安定している局が増えたが、昼間の繁忙時間帯などは鯖落ちしないまでも、ブツブツ途切れる局が多い。
- 欧州局(豪・新を含む) - 音楽カテゴリが未分化。「クラシック」を名乗っても実際は文化放送が多い。自社で収録した演奏会音源が多いが、娯楽志向が強く、歌曲やオペラの選択率が高い。おしゃべり。
- 米国局 - 音楽カテゴリが細分化。クラシックは文字通りクラシックに特化。選曲はバロックからロマン派の管弦楽や室内楽などの器楽曲が中心になる。CD音源が多い。進行役は寡黙。広告が騒がしい。
- 高音質ラジオ / デジタルラジオ - デジタル放送の開始を受けて多チャンネル化。文化放送や総合放送のクラシック番組を借用するか、基幹局が制作した番組を買い付ける。空き時間はCD音源の楽曲垂れ流し。
- ネットラジオ局(衛星放送を含む) - 原則として無人放送。語学力は不要。選曲は自動演奏の楽曲垂れ流し。悪質なホップアップ広告があることも。個人局では完全に趣味に走っている掘り出し物もある。
米国の放送局と放送網の関係
日本の放送局は東京にある本局が各県の地方局を束ねてそれぞれ排他的な系列をつくるが、アメリカは中央集権でも垂直統合でもない。クラシック音楽の場合、放送網の拠点(制作会社)はセントポールやシカゴなどにあり、制作能力のない地方局は各放送網が提示するメニューからおのおの欲しいものを買い付けて番組編成する。以下がその放送網。
- 全米公共放送 (National Public Radio = NPR) - 全米各地の公共放送局を束ねる会員組合。全米最大の制作会社でもある。本部を首都ワシントンに置くが、本局は存在しない。交響楽饗宴などの有力なクラシック番組をアメリカ公共メディアへ譲渡して、クラシック放送では存在感が薄い。
- アメリカ公共メディア (American Public Media = APM) - 全米公共放送に次ぐ放送網を誇る制作会社。本部はセントポール。ミネソタ公共放送 (Minnesota Public Radio) の制作部門から発展。クラシック番組を多数取り揃えており、ことクラシック放送に限っては、全米公共放送の加盟局もアメリカ公共メディアの配信番組が圧倒する。
- 国際公共放送 (Public Radio International = PRI) - アメリカ公共メディアと連携する配信会社。本部はミネアポリス。BBC世界サービス (BBC World Service) の米国内での配信権を有す。大学局はBBCニュースとクラシカル24(下記)をよくセットで買い付ける。制作部門もある。
- WFMTラジオ網 (WFMT Radio Network) - シカゴのWFMTを本局とする放送網。前三つが「公共放送」として一緒くたにされるのに対し、独自の放送網と認識される。全米各地の有名楽団の演奏会番組や、大人気の音楽探求などを制作。地方局はゴールデンタイムに花形番組として組み込むことが多い。
- クラシカル24 (Classical 24) - アメリカ公共メディアが制作、国際公共放送が配信する24時間放送。進行役が交替で順繰りに市販音源を紹介するだけの通常番組。地方局が手抜きしたい時間帯の穴埋めのために買い付ける。聴き手に全国放送と悟られないように、進行役は特別な発声訓練を受けてどの地方でも通用する発音で話すそうだ。
アメリカは系列の縛りがないゆえに、全部の地方局が全部の放送網から番組を買い付けて、結果として似たり寄ったりの番組編成に陥った。この意味でアメリカのクラシック放送は、一部の例外的な独立局を除けば、一系列しかないとも言える。三つの公共放送網の区別は米国人にも難しいようで、アメリカ公共メディアが三者の違いについて質問に答えている。
クラシック・ラジオでは数多ある米国のクラシック局を全部取り上げる予定はない。それぞれの放送網の本局と、その番組を最良条件で配信する地方局の代表、独立局の三種類を選び出して紹介している。
クラヲタお気に入りの放送局
英国クラシック・エフエムに端を発した商業主義を嫌い、自社収録音源をじっくり聴かせる昔気質の放送局を愛着する方が多い。しかし欧州局のゴールデンタイムは日本の深夜~早朝にあたり、実時間で聴くのは難しい。よって、予約録音のしやすさや、過去音源の有無も関心事。以下がよく話題に挙がる放送局。
- ハンガリー放送 (MR3-Bartók Rádió) - 一番人気。ただし口数が多く、音楽がかかっていない時間が長いため、生放送は人気がない。過去音源を選んで聴く方が多い。
- ノルウェー放送 (NRK Alltid Klassisk) - 人気度ではハンガリー放送と双璧。ハンガリー放送のように気難しくないのがいい。日本の昼間~夜間にかけて演奏会音源が多く、聞き流しに最適。
- スウェーデン放送 (SR P2) - 文化放送であり、クラシック以外の番組が多い。よって生放送は人気がない。配布されている演奏会音源を楽しむ方が多い。
- ラジオ・フランス (France Musique) - のだめ効果でクラヲタにも人気? 演奏会を予約録音する方が多い。
- オーストラリア放送協会 (ABC Classic FM) - 日本との時差が小さく、NHK-FMの代替になる。「タスマニア響なんて論外、楽団は米欧に限る」などと言い出す権威主義の方には向かない。
- デンマーク国立放送局 (DR Klassisk) - ゲルマンの重厚長大が好みで、聞き流す方に向いている。音質がいまいちで、曲目表示がないのが欠点。
現代音楽が聴きたい
以下が現代音楽に造詣が深いクラシック局。
- コンセルトツェンダー 新音楽 (Concertzender - Nieuwe Muziek) - 同局が用意した10本ある専門放送の一つ。放送済みの番組のうち、現代音楽の番組を集めて再編したもの。シェーンベルクからポスト・セリエルへいたる現代音楽の正統派を浴びるように聴けるのはここだけだ。雑音などの傍流にある実験音楽も割合よく取り上げる。放送は長時間同じ系統の番組が続く傾向があるが、日本人感覚の「現代音楽」からはズレた部分があり、接続して期待外れの音楽がかかっている場合は、その日はダメだと諦めたほうがよい。
- WQXR Q2 - 以前のWNYC2。「500年間の新音楽」を掲げて、ニューヨーク発祥のミニマル音楽などを積極的に紹介する。WNYCがWQXRを取得したことにより、WQXRに古典音楽を任せて、Q2はより前衛に的が絞られた感じだ。アメリカの現在進行形の前衛作品の紹介に積極的。
- ラジオ・アイオー (Radio IO) - 各チャンネルにヲタクな担当者がつくことで有名なネットラジオ局。初代担当者は「ベートーベンは死んだ!」を謳い文句にして、現代音楽中心の選曲を続けた。現在の担当者マイケル・マティニー氏は4人目か。現代音楽が中心の基本姿勢は変わっていない。ナクソスのCDがよく取り上げられる。
- ラジオ・ニュージーランド (RNZ Concert FM) - 火曜夜に現代音楽の4時間番組がある。深夜番組は番組自体が実験的な試みなことがあり、放送芸術として興味深い。個人的にはもっとも先鋭的なクラシック局だと思っている。
- コンテンポラリー・クラシカル・インターネット・ラジオ (Contemporary Classical Internet Radio) - ネットラジオ局。現代音楽の専門局。再生には「ライブ365プレーヤー」なるソフトウェアが必要があり、放送局一覧には掲載していない。
なぜ日本にはネットラジオ局がないのか
日本ではインターネットは「放送」ではなく「通信」の扱いであり、著作隣接権を処理する必要がある。一曲ごとに実演者やレコード制作者の承諾を受けなければならず、放送局のように自由に選曲することができない。また、利用者の特定と、それに応じた著作権料の支払いが求められることも、インターネット放送の普及を阻害している。
法整備は進んでおらず、近い将来に解禁される見込みもない。オッターバは音源をナクソスに限定することでこの問題を回避した。インターネットに国境がないことに着目して、愛好者の多いJポップやアニメ音楽に関しては、アメリカやロシアから発信している局がある。ラジオ日経のような実況放送は現状でなんら問題がない。